ノリで書いた
歳を経るにつれて確固たるものというのがなくなって参りました!と、垂れた自分の腹を見て私は思います!毎日は淡々と過ぎ去るばかりでそこに思い入れなどありません!あるのはただの空虚ばかりです!私は一体何を信じて生きているのか?なんとなくという感情のみで生きたばかりに隣で眠る男の存在を私は信じることが出来ません!テーブルの上に置いてある幾枚かの紙を手に取り私はそこを立ち去ります!
夜の繁華街は恐ろしいけれども魅惑的です!私の後ろを1人歩く女の子がおります!その娘が私を見つめます!私は歩くのをやめ、その娘と向かい合いました!その娘は口を結び澄んだ眼を私に向けます!ああ!なんと美しいのだろう!
*
「……こっち見ないでよ」
*
幼き日の記憶というのは尊いもので、私はその時の一日一日を忘れることができません!あの時は母も若かった!いつの間にやら親は死にました!幼き日の、あの、確固たる日々、確固たる時間、私はこのために生まれてきたのだなと自分の存在を認められたあの時間!未来に期待などありません!嘘です!私は今も期待して生きているのです!あの時間!大人かみんな忘れてしまうあの時間を!私は取り戻したいのです!あの輝きの時間を!
*
男の子とキスをしました。
それは私の好きな人でした。
ひまわり畑に駆け出したあの子を私は追いかけたのです。
待って、と私が叫ぶとその子は立ちどまりました。
その子は泣いていました。
どうして泣いてるの?とたずねました。
彼は何も言いませんでした。
私は彼が何も言わないことを心配する反面、少しドキドキしていました。
だって、彼と二人きりなんですもの。
だって、私は彼がとっても好きだったんですもの。
突然でした。
彼は私を抱き寄せキスをしました。
彼の舌が私の口内を暴れ、私は初めてと突然のことに驚いて何も出来ませんでした。
驚いている間に私と彼は離れました。
二人の間を銀色の糸がつたいます。
太陽のてる暑い夏の日でしたから、それがとても輝いていて恥ずかしくなったのを覚えています。