2019-07-22 夏 「とてもじゃないけれど、私の口から言えたことではないわ。」 彼女の語り口はとても軽やかである。ふふ、と微笑をたたえる彼女。赤いワンピースのはしがゆうらりと揺れる……。 「なにも僕は明確な答えを求めて言っているんじゃあないよ……」 アラッ、そうなの、と彼女。 「あなたの話はいつでも的を得ていなくて私は退屈だわ。」 キィと啼きながらブランコも揺れる。彼女の動きに合わせて……。 僕と彼女はすっかり汗をかいてしまったソーダを、いっせーのーでで飲み干した。